2015年3月アーカイブ

こんにちは!
公益法人・学会・業界団体を専門とする会計事務所、株式会社アダムズの堀井淳史です。

今回は、出版業の「収益事業から除外される事業」のうち、「学術、慈善等の会報」の注意点について説明します。

学術、慈善その他公益を目的とする法人が、その目的を達成するため会報をもっぱらその会員に配布するために行う出版業は、収益事業から除外されます。

この除外規定と前回説明した特定資格会員向けの会報等の除外規定を混同してる学会や業界団体が非常に多いです。

特に要件で気を付ける必要があります。
「特定資格会員向けの会報等」は、「主として会員に配布」という要件がありましたが、今回の「学術、慈善等の会報」は、「もっぱら会員に配布」となっています。

「主として会員に配布」は、発行部数の8割程度を会員(会員以外の関係者への無料配布を含む)に配布すること言いますが、「もっぱら会員に配布」は、会報を会員(会員以外の関係者への無料配布を含む)だけに配布することをいうとされています。

したがって、外部への販売が少しでもあり、当該販売が出版事業に該当するかを検討する際は、「学術、慈善等の会報」の除外要件ではなく、「特定資格会員向けの会報等」として除外要件を検討する必要があります。

次回は、「貸席業」について説明します。




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社団法人の基準日

こんにちは!
公益法人・学会・業界団体を専門とする会計事務所、株式会社アダムズの堀井淳史です。

多くの公益法人・学会・業界団体が3月決算となっていますので、タイムリーな話題を掲載したいと思います。

今回のテーマは「基準日」です。

株式投資をされている方は、分かると思いますが、株式会社には基準日というものがあります。これは、いつの時点の株式保有者を株主として取り扱うかを決めることです。

理想としては株主総会の日に株式を持っている人を株主総会で株主として取り扱うことが良いのでしょうが、上場企業など毎日多くの株の売買が行われる株式会社の場合、召集通知の発送などを考えるとそれは不可能です。

そこで、特定の時点の株式保有者を株主として取り扱い、株主総会での議決権を与えたり、配当を出すことになります。

違和感があるかと思いますが、実務上、仕方ありません。
いま、ニュースを騒がせている某家具店もこの問題があり、3月末時点の株主は既に株式を売却しているにも関わらず、今回の株主総会で議決権を行使する矛盾が生じているようです。

さて、前置きが長くなりましたが、このような基準日は、社団法人にも認められるかが問題となります。
すなわち、特定の日の社員をもって、社員総会の社員として問題ないかという点です。

まず、法律の前提として株式会社には「基準日」について会社法で明記されていますが、社団法人には、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「一般法人法」)に記載がありません。

これについて一般法人法は、ほぼ会社法を真似ているにも関わらず、基準日について記載がないのは、基準日を認めないことを意味しているという解釈と法律に記載がないのだから法人自治として基準日は認められるという考えあります。

ここで、公益法人協会は、基準日は認められる旨の記載を著書の中で行っています(公益法人・一般法人の運営実務 第2版、平成25年5月31日、25ページ)。一方、全国公益法人協会が発行所となっている書物では、基準日は認められないと明記しています(一般社団法人、公益社団法人の社員総会Q&A、弁護士 熊谷則一著、平成25年4月3日、20ページ?22ページ)。

上記のように公益法人専門の団体ですら、意見の分かれるというのが実情です。

今後、裁判実務や内閣府等から追加情報があるかもしれませんが、日本の株式会社の基準日から株主総会までの日付が長期間であり世界標準からズレていることや、社員の権利保護という観点からすると私も全国公益法人協会の考えと同意見です。

実務で明確になれば、今後、情報発信させて頂きます。


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公益法人・学会・業界団体を専門とする会計事務所、株式会社アダムズの堀井です。

内閣府より「公益法人の会計に関する諸課題の検討状況について」が公表され、312日付で意見公募が終了しました。

概ね内容は確定したと判断できますので(おそらく)、内容の概要をBlogで記載したいと思います。


重要な内容としては以下に要約しました。


1.財務状況の悪い公益法人の場合、法人会計をある程度黒字にすることが間接的に認められることが明らかになりました(どこまでOKかは明確にされていませんが、合理的な説明があればOKと判断)。


2.公益目的事業のみを行う法人で、法人会計を黒字にしなくても良い法人は、正味財産増減計算内訳表の作成を省略可能。ただし、上記1の関係から作成した方が良いと考えられます。


3.正味財産増減計算書内訳表の期首残高と期末残高は、公益目的事業会計、収益事業等会計、法人会計の単位で開示すれば良いことが明示されました。


4.収支相償を満たさない場合、今までは、翌年度に使用する計画を立てるか、特定費用準備資金等の積立金の検討が必要でしたが、翌々年度までに解消すれば良いことになりました。


5.実務上、曖昧であった収支相償を満たすために、公益目的保有財産として金融資産の取得が認められるかという疑義がありましたが、一定の条件付で認められることが明記されました。条件は、以下の4つです(実務的には難しい要件のような気もします)。

(1)事業拡大に関して、実物資産ではなくて金融資産を取得して業務を拡大する必要性が明確なこと

(2)事業拡大の内容が具体的になっており、それが事業計画等として法人において機関決定等(理事会等の承認、決定)を受けていること

(3)運用する金融資産について、その内容及びこれから生じる運用益の見込額が妥当であること及び運用益が事業拡大の財源として合理的に説明できるものであること(事業拡大に伴う費用と運用益のバランスが適当であること)

(4)その他、事業の財源として、剰余金を用いることについて望ましい理由があること 等


6.地震、火災等災害に備える資金を特定費用準備資金とすることは認められていませんが、災害救援事業を定款で目的としている法人が、災害等発生時に緊急支援のための備えを過去の実績や類型等から合理的に見積もることができる場合には、特定費用準備資金の要件を満たすものとして認められることになりました。


7.将来の収支の変動に備えて、過去の実績等に基づく活動見込み額等の見積りが可能などの要件を満たした場合、特定費用準備資金として積立可能(特定費用準備資金の積立要件が緩和?)


8.前事業年度以前において公益目的保有財産を取り崩した場合に、当該事業年度の剰余金を公益目的保有財産とするためには、将来の事業拡大のためなど説明が求められることが明確になりました。


9.指定正味財産として計上するために必要となる使徒の定めとして「公益目的事業の◯◯事業に使用して欲しい」というように具体的に使徒が定まっている場合だけでなく、「公益目的事業のために使ってほしい」という使徒の定めであっても寄付者又はその関係者の意思を確認することができる場合や法人内部の規程等により具体的な事業に特定する又は配分することができる場合も該当することが明確になりました。一方、「公益法人のために使用して欲しい」というような使徒の定めの場合には、指定正味財産に該当しないことが明確になりました。


10.指定正味財産の運用益については、運用益について具体的な使徒の制約があるもののみ指定正味財産として取り扱い、それ以外は、一般正味財産として扱うことが明記されました。


11.指定正味財産とした寄附金を合理的な理由もなく支出せずにいる場合、一般正味財産に振り返ることが明記されました。


12.公益目的事業以外の事業から公益目的事業の赤字を補填した場合、当該補填額は、公益目的取得財産残額を構成することが明記されました。



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公益法人・学会・業界団体を専門とする会計事務所、株式会社アダムズの堀井です。

すこし間が空きましたが、今回は出版業の続きとして「収益事業から除外される事業」の要件の注意点です。

前回、収益事業の出版業から除外されるものとして以下の2つがあることを説明しました。

(1)特定資格会員向けの会報等
(2)学術、慈善等の会報

上記の注意点について説明ます。

(1)特定資格会員向けの会報等
上記を満たすためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
特定の資格を有する者を会員とする法人であること
会報その他これに準ずる出版物であること
主として会員に配布すること

まず、「特定の資格」とは、「特別に定められた法律上の資格」、「特定の過去の経歴からする資格」その他これらに準ずる資格とされます。

次に、「会報その他これに準ずる出版物」とは、主として会員だけに必要とされる特殊な記事を内容とする出版物を言います。注意が必要な点としては、書店等において通常商品として販売されるものと同様な内容のものは該当しないとされている点です。

最後に、「主として会員に配布すること」とは、会報その他これに準ずる出版物を会員に配布することを目的として出版し、発行部数の8割程度を会員に配布していることをいうとされており、この場合、会員でない者でその団体に特別の関係を有する者に対して対価を受けないで配布した部数は、会員に配布したものとして取り扱うこととされています。

ざっくりと言うと、会員への配布・販売+関係者へ無料配布の合計が全体の発行部数の8割以下(程度となっているので多少のオーバーはOKかと思います)であるかどうかで判断します。

通常の学会や業界団体で、学会誌、業界紙等の販売を行っている場合には、2つ目と3つ目の要件を満たすものであるかが注意が必要となります。特に3つ目の要件については、数値で把握することが可能であるため、仮に収益事業として処理していなかった出版業があり、2割超を一般に販売を行っている場合には、税務調査時に指摘を受ける可能性が高くなるため留意が必要です。

次回は、出版業の「収益事業から除外される事業」のうち、「学術、慈善等の会報」の注意点について説明します。



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