2016年12月アーカイブ

会計基準の使い分け

こんにちは!
公益法人・学会・業界団体・保育所会計を専門とする会計事務所、アダムズの堀井です。

今回は、公益法人が適用すべき会計基準についての雑談です。

公益法人が適用すべき会計基準としては、日本公認公認会計士協会の考えとしては公益法人会計基準(20年基準、16年基準)か企業会計基準のいずれかとされています。
そして、公益法人会計基準で定めのない事項については、企業会計基準の適用が明確化されています。
したがって、公益法人の場合には、通常は公益法人会計基準を適用し、公益法人会計基準に明記がない事項は企業会計基準に準拠することになります。

ここで、社会の混乱を招いている原因の1つですが、NPO会計基準という会計基準があります。
これは、日本公認会計士協会が公表した会計基準ではなく、NPO法人会計基準協議会という民間団体が独自にいろいろな方々の意見を聞いたうえで作成した独自基準です。
したがって、NPO法人会計基準は、日本公認会計士協会が一般に公正妥当と認めた会計基準には該当しません。

しかし、一般の方には、会計基準が一般に公正妥当か否かなど分からないと思います。
市販されている公益法人会計基準の本でもNPO会計基準のルールを記載されているものもあります。

例えば、とある公益法人向けの本では、以下のような記載がありました。
「未収会費は、貸借対象日後、計算書類が作成されるまでに回収され又は回収されることが明らかな会費を計上する」
未収会費は、金銭債権のため公益法人会計基準、金融商品に関する会計基準に準拠して処理することになりますが、上記のような処理方法や考え方はどこにも記載がありません。
この考え方は、NPO法人会計基準第12項の受取会費、同Q&A12?1の未収会費の処理方法の記載を準用しているものと推測されます。

公益法人向けの本であるにも関わらず、一般に公正妥当と認められていないNPO法人会計基準の内容を何の注記もなく記載してしまう専門書もあるくらいですので、一般の方々の誤解を誘発する可能性があると思います。

早い段階で、公益法人だけでなく、非営利法人全般の一般に公正妥当と認められる会計基準の公表が望まれます。


個別無料相談を開催しております。
下記ホームページよりお気軽にお申込みください。

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http://www.adamz.jp/

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http://hoiku-tax.com/

税額控除制度3

こんにちは!
公益法人・学会・業界団体・保育所会計を専門とする会計事務所、株式会社アダムズの堀井淳史です。

今回は、適用している公益法人も多いと思われる税額控除制度の「実績判定期間において、3,000円以上の寄附金を支出した者が、平均して年に100人以上いること。」の要件について、注意点を記載したいと思います。

当該要件については、緩和措置が設けられましたが、当該記載については、「税額控除制度2」で記載したとおりですので、今回は割愛します。

緩和措置以外の注意点としては、まず実績判定期間があります。。
公益認定を受けたタイミングによっては、例外もありますが、実績判定期間は過去5年間となり、過去5年間の「3,000円以上の寄附金を支出した者が、平均して年に100人以上いること。」という要件を確認することになります。
また、「平均して年に100人以上」という要件ですので、5年間すべての期間において100人以上の寄附者がいることを求めておらず、5年間の平均で問題ありません。

次に注意が必要な点は、寄附者と生計を一にする者の取扱です。
寄附者と生計を一にする者は、一人としてカウントします。
例えば、A氏が2,000円寄附し、同居している配偶者のB氏が1,000円寄附したとすると、一人の人間が3,000円を寄附したものとしてカウントします。

3つ目として、申請する公益法人の役員である者(理事と監事をいい、公益財団法人の評議員は除きます)は、寄附者としてカウントできません。

4つ目として、公益財団法人の賛助会費や公益社団法人以外の法人法上の社員以外の者から支出された会費(賛助会費など)は、当該会費に対価性や支出義務がない場合には寄附金として認められます。

最後に、これは実務的な話ですが、現行の事業報告等の定期提出書類には、別表Hに寄附金の内訳、内容を記載する箇所があります。
申請している税額控除申請と別表Hとの整合性の確認も行うことが望ましいです。

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